肝斑(かんぱん)とは両頬、額、下顎、上口唇(鼻の下)に出るシミです。30代~50代の女性の約半数近い方に見られるシミです。シミ取りに来院される患者様の中には、肝斑(かんぱん)を併発している方も多くみられます。肝斑はこするなどの外的刺激や紫外線も強い発症要因になりますが、更年期やピル内服中などに出現したり、妊娠・出産時期に出現します。肝斑は放っておくと範囲が広がり、色も濃くなってきます。内服や外用から始めることもできますので、早めのケアを行いましょう。以下の3種類の内服を行います。

① トラネキサム酸

トラネキサム酸はアミノ酸の一種であり、炎症を引き起こす生体内の酵素「プラスミン」を抑制する「抗プラスミン作用」を持っています。メラニンをつくり出すメラノサイトに信号を送る「メラノサイト活性化因子」のはたらきを抑え、メラニンの生成を抑制します。

② ビタミンC

アスコルビン酸というビタミンの1種で、メラニン色素の生成を抑制し、還元性によって皮脂の酸化を防ぎます。皮膚細胞の中に作られたメラニンを分解して除去する作用があります。

③ ビタミンE

いわゆる抗酸化ビタミンとしても知られ、細胞膜の安定化、そのほか脂肪の代謝、生殖や甲状腺などの機能にかかわっています。抗酸化作用により過酸化脂質の増加を防ぎます。

注意点

※当院では6か月で一旦休薬期間(約1か月)を設けております。
※腎臓機能の低下した高齢者には注意が必要となります。
※トラネキサム酸を含む薬を処方されているときは中止していただきます。風邪薬や歯科医で処方される止血剤など、トラネキサム酸が配合されている場合がありますので、必ずお申し出ください。
※脳梗塞や脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈などの病歴がある方は内服をお勧めしません。

肝斑の自宅でのアフターケア

当院では、自宅での維持のため、ナビジョンのTAバリアローション、TAバリアエッセンスを扱っております。日頃頃からの注意・お手入れも必要です。日焼け止めなどで紫外線から肌を守りましょう。しっかり保湿をしてバリア機能を高め、肌の新陳代謝を高めましょう。オイルマッサージやかっさなど、強く皮膚を擦る刺激は、肝斑を促すため避けましょう。泡立てた洗顔料でやさしく洗いましょう。肝斑は一旦消えていても再発する疾患です。完治という状態は難しいシミですので、紫外線予防、処方された内服薬・外用薬で予防していくことも重要です。

オススメの併用治療

トーニング

内服や外用でも難治性の肝斑や色素沈着に対して、トーニングでメラニンを少なくしていく方法があります。頻度は2週間に1回を10回行って効果を診ます。トーニングに関してはほかの施術と異なり、時間とこまめな施術が必要となります。肝斑トーニングをする際には、治療計画をたてますので、診察を受け十分に治療につい説明を受けてください。

ケミカルピーリング

皮膚のターンオーバーを促進させて、メラニンの排出を促します。

ビタミンC誘導体イオン導入

美白効果、免疫を高める効果のあるビタミンCを導入することで、肌の奥まで押し込んで浸透させましょう。